肩こりが不安・イライラを引き起こす理由|脳と神経の深い関係を解説
「肩こりがひどくなると、なんだか不安になる」「ちょっとしたことでイライラしてしまう」
実はそのメンタル不調、肩こりが原因かもしれません。
肩こりが脳や神経に与える影響を、解剖学・神経学・生理学の観点から詳しく解説します。
肩こりが“脳の酸欠”を引き起こす
首や肩の筋肉がこわばると、「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」が圧迫され、脳への酸素供給が低下することがあります。
特に後頭下筋群が緊張すると、脳幹や大脳辺縁系が酸欠状態になりやすく、集中力や感情の安定に影響を及ぼします。
脳が酸欠になると何が起きるのか?
- 前頭前野:感情のブレーキが効かなくなり、イライラしやすくなる
- 扁桃体:不安や恐怖の感情が強まり、落ち着かない
- 海馬:ストレスに弱くなり、気分の浮き沈みが激しくなる
つまり、肩こりによって脳の酸素供給が低下すると、「不安・イライラしやすい脳の状態」になってしまうのです。
自律神経が乱れると、気持ちはなぜ不安定になるのか?
肩や首の筋肉の緊張は、交感神経(緊張モード)を過剰に刺激します。
その結果、体は常に「戦闘・警戒状態」となり、リラックスや回復を担う副交感神経がうまく働けなくなります。
副交感神経が働かないと起こること
- 呼吸が浅くなる → 酸素不足がさらに悪化
- 腸の動きが低下 → セロトニンの合成が落ちる
- 眠りが浅くなる → 情緒の回復ができない
- 安心ホルモンが減る → 不安や焦りが続く
特に注目すべきはセロトニンという神経伝達物質です。
これは「幸せホルモン」とも呼ばれ、感情の安定・安心感・前向きな気持ちをつくるのに欠かせません。
副交感神経が働いていると、腸の動きが活発になり、セロトニンが十分に作られます。
逆に交感神経優位が続くと、セロトニン不足となり、不安・イライラ・落ち込みが起きやすくなるのです。
肩こりが“ストレス脳”を作ることもある
実際の研究でも、ストレスと筋肉の緊張には密接な関係があることが報告されています。
特に、肩甲挙筋(肩をすくめる筋肉)に持続的な緊張が見られたという筋電図のデータもあります。
※スウェーデンの研究チームによる実験で確認された内容です(Lundbergらの報告より)。
腱引き施術で神経・ホルモン系を整える
腱引きでは、首・肩の筋肉や腱の過緊張を解消し、血流や神経の圧迫を取り除くアプローチを行います。
これにより、ただのコリ改善にとどまらず、脳や神経の働きを整え、メンタルの安定にもつながるのが特徴です。
- 脳への酸素供給が改善 → 前頭前野・扁桃体が落ち着く
- 自律神経バランスが整う → 呼吸・睡眠・ホルモン分泌が回復
- 感情のコントロールがしやすくなる → 不安やイライラが軽減
まとめ|「心の不調」は「体の緊張」が原因かもしれません
メンタルの不調は「心だけの問題」と思われがちですが、実際には体の状態──特に肩こりや首の緊張が深く関係していることがあります。
脳・神経・ホルモンはすべて“身体の状態”に影響されているからです。
「最近、不安やイライラが強い」「理由がないのに心が落ち着かない」
そんなときは、ぜひ一度肩こりを整える施術を試してみてください。
体をゆるめることで、心まで軽くなる──そんな実感を得られるかもしれません。









